ほうろく灸とは

〜由来とご利益〜

  ほうろく灸とは昔 戦国武将であった武田信玄公が戦地に赴く道中、暑さ負けし急な頭痛におそわれた際、着脱が複雑かつ難しい甲冑(かっちゅう・鎧兜よろいかぶとの意)を脱ぐには手間も時間もかかり身に危険も及ぶ為、いっそ兜(かぶと)の上から灸を据えたところ、たちまちスッキリと頭が晴れ 全快したことに由来していると伝えられております。
  以前放送されましたNHK「歴史秘話ヒストリア」の武田信玄公の回でも当山のほうろく灸映像が使用されておりますが、信玄公はこの頭頂点のツボ「百会(ひゃくえ)」にお灸を据える健康祈願をいたくお気に召し、日蓮宗総本山も所在する甲斐の国(山梨県)の庶民にも推奨し、兜の代わりに素焼きのほうろく皿を頭に乗せ、もぐさの灸を据え 身体健全・病気平癒など夏の健康祈願として広く伝わったとされております。

  当山では明治より150年続く伝統行事として 毎年 東京方面をはじめ 近郷近在からの参詣で朝から参詣が絶えず昭和期には土用丑のほんの半日で千人近い人手で賑わいました。
 暑さ負けや頭痛の病に効能あらかたと今も根強い人気を持ち、毎年欠かさずご来山される御参詣者もおられます。熱いほうろく皿を乗せてのご祈祷後は、不思議とすーっと涼しい風が身体を吹き抜けるように感じられます。
  また近年では頭に灸をすえ、祈祷することによって 頭の魔を封じ 勝敗の鍵を握る夏の受験生の合格祈願とされる方もおられます。受験生にとって夏は天王山、新年寒い時期の試験間近の御祈願で体調を崩されないよう夏の祈願をご希望される方もいらっしゃいます。
戦国武将の夏バテ対策をぜひご体験下さい。皆様のご来山をお待ち申し上げております。